【宝物は全部ここにある】 糸井のぞ

宝物はぜんぶここにある (シトロンコミックス) (CITRON COMICS)

宝物はぜんぶここにある (シトロンコミックス) (CITRON COMICS)

感想復活。結構前に読んだものも、記録しておきます。

ジャケ買いしたコミックス。読んだことのないマンガ家さんでしたが、味のある絵に惹かれて買ってみました。
さらっとやさしい雰囲気の漫画でした。出てくるのはほぼ男性オンリー。重要な役まわりに「ヒトミさん」という女性が出てくる以外は、ほぼ男性のみで話が進みます。
主人公である「書生」の男の子は中学生。周りはみんな一癖ある大人。浮気とか三角関係的な描写もあることはあるんだけど、ドロドロしていないので嫌な感じはありません。
「大切な人に置いていかれる」痛みをずっと引きずる信太郎に、きゅんとします。出てくる人みんな優しくて不器用でいじらしい。ものすごく感動するわけじゃないけど、ふわっと気持ちよくなれるお話。

細かいことを言えば、なぜ「弟」であることを隠す必要があったのかがわからないし、中学生が「無力な子供」なのは当たり前じゃないかと思ったり。絵も、全体的に白っぽいというかさらっとしているので、ちょっと現実味がないような気はしました。

表紙の絵と中身はちょっと印象が違いました。線画はあっさりとした雰囲気。線に独特の色気があって好きです。眼鏡の男性が非常に好み。

巻末の「2年後のぼくら」の旬を見てちょっとしょんぼり。彼はあのままでいて欲しかった。